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元臨時工拘束も中国各紙口ふさぐ「毒ギョーザ事件」報道規制(スポーツ報知)

 千葉・兵庫両県で10人の被害者を出した中国製ギョーザ中毒事件で、中国公安省に拘束された製造元「天洋食品」(河北省石家荘市)の元臨時工・呂月庭容疑者(36)=河北省出身=が、動機について「自分と妻を正社員として雇ってくれなかった」と供述していることが27日、分かった。2008年1月に発覚し、「食の安全」を揺るがした事件だが、両国の報道は対照的。大々的に報じる日本に対し、中国国内では消極的な報道が目立った。

 警察庁は呂容疑者の拘束罪名が、毒物を故意にばらまいて公共の安全に危害を加える「危険物質混入罪」と確認した。同罪は、最高刑が死刑の重罪。

 国営通信「新華社」や中国公安省などによると、拘束された呂容疑者は、容疑を認め「長期間勤務しても、自分と妻を正社員にしてもらえなかった」と供述。出稼ぎのため、天洋食品で食堂の管理人として働いていたが、雇用形態だけでなく、給与にも不満を抱き、ほかの従業員とトラブルになることもあった。ムシャクシャした感情のウサを晴らすために犯行に至ったものとみられる。

 呂容疑者の供述に基づき、問題のギョーザから検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が付着した注射器2本が、下水道から発見された。発見場所や日時は明らかになっていない。中国当局は事件発覚後の08年秋から容疑者を元従業員数人に絞り込み、数か月間にわたって全員を拘束し、事情聴取を行っていた。呂容疑者も捜査対象者の1人だったが、容疑を否認していた。

 日中両国に衝撃を与えた事件にもかかわらず、27日付の中国主要紙は地味な扱いにとどまった。各大衆紙は、1面で主要ニュースとして「対日輸出ギョーザ中毒事件解決」(京華時報)などと見出しを掲載したが、具体的な内容は新華社電を使って社会面で報じるにとどまった。

 主要報道機関が共産党中央宣伝部の管理下に置かれる中国では、新たに18分野を対象とした報道規制の通達が21日にメディア各社に出されたばかり。規制分野には「食品安全問題・事件」が含まれており、今回の低調な報道も、国内での批判拡大を懸念した当局が、抑え込んだものとみられる。

 中国警察当局は、呂容疑者の逮捕・起訴に向け、詰めの捜査を急ぐ。警察庁は日中間に犯罪人引き渡し条約がないことなどから、日本の消費者を狙った殺人未遂事件として中国当局が、代理処罰を行うことを期待。捜査幹部を中国に派遣し、呂容疑者の刑事処罰に日本警察が関与できるか中国側と協議する。


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